「LINEで予約」の活用事例6選LINE公式アカウントの「LINEで予約」機能を利用しても、期待通りの予約数増加を実感できない場合、次のような疑問が頭をよぎることでしょう。「導入しても予約が伸び悩んでいるのはなぜ?」「どうすれば予約を増やせるのか?」「もっと効果的な運用方法はないのだろうか?」この記事では、そんな悩みを抱える飲食店オーナーのために、実際に「LINEで予約」を活用して成果を出している飲食店の事例を6件紹介します。これらの事例は、それぞれ異なる状況と目的のもと、「LINEで予約」機能を取り入れ、顧客満足度の向上、来店頻度の増加、そして店舗運営の効率化に成功しています。具体的な事例を分析してみると、成功している店舗の共通点として、自店のブランドに忠実なファンを創出し、リピート顧客を効果的に獲得していることが浮き彫りになります。それでは、以下6つの飲食店の事例を通じて、LINEを利用した飲食店経営の成功の秘訣を探り、ご自身の店舗に活かすヒントを一緒に見つけていきましょう。事例1.極上赤身 焼肉 藤導入きっかけ・目的大阪府茨木市に新規オープンした「極上赤身 焼肉 藤」は、店舗開設と同時にLINE公式アカウントを立ち上げ、予約システム「LINEで予約」の活用を開始しました。店主の田仲浩希氏は、既に一度来店した顧客を再来店につなげるための「リピーター化」を目指しました。これには、特に住宅街に近い立地と高齢者の来店が多いという同社の特徴を考慮し、地域密着型の顧客関係を構築する狙いがありました。運用施策オープン直後の2021年3月末にLINE公式アカウントを開設し、来店客への友だち追加を積極的に促しました。メッセージ配信では仕入れた肉の特徴紹介、日常的な世間話を通じて顧客とのコミュニケーションを深め流と同時に、「ワンドリンクorデザートクーポン」と一緒に「LINEで予約」の予約フォームを配信するなどして予約数の向上を目指しました。リッチメニューには「LINEで予約」だけでなく、ショップカードやクーポンも配置し、顧客の利便性を向上させました。運用成果これにより、Web経由の月間予約件数は2.5倍に増加。特に高齢の顧客層からもLINE経由での予約が増え、幅広い年代にリーチできる効果が見られました。メッセージ配信とリッチメニュー経由の予約数に大きな差は見られませんでしたが、メッセージを配信した曜日は特に予約数が増加することから、併用することで予約数の底上げが期待できることが分かりました。「極上赤身 焼肉 藤」から学ぶ運用ポイントこの事例から分かる運用ポイントは、予約する顧客の視点に立って、どのように運用したら「LINEで予約」を利用しやすくなるか利便性の向上を目指すことが大切だという点です。まずはメッセージ配信とリッチメニューの両方で案内を行うことで、「LINEで予約」の窓口が常に顧客の目に触れる状態にします。それに加え、日頃からメッセージ配信を通じて顧客の日常と密接に関わるダイレクトな関係を持つことが、新規だけでなくリピーター獲得にもつながっていきます。参照:LINEヤフー for Business参照:焼肉 藤 LINE公式アカウント事例2.ホリイフードサービス株式会社「赤から」導入きっかけ・目的ホリイフードサービス株式会社は、「赤から」などの居酒屋をはじめとする多様なジャンルの飲食店を東北・関東地方にて展開する会社。いわゆる地方都市に展開している同社は、東京などの大都市圏におけるメディア戦略が通用しにくいことから、顧客の生活圏とより近く、つながりを生み出すことを重視しています。まずは各店舗の特色を活かした集客と顧客関係管理として活用するため、店舗ごとにLINE公式アカウントを開設しました。そして配信したメッセージを起点に来店予約を促進し、予約数を可視化するために2021年4月から「LINEで予約」を試験的に導入しました。運用施策特定の一部店舗で試験的に運用を行い、リッチメニューに「LINEで予約」を設置して、顧客の予約導線を作りました。運用におけるKPIは、各店舗の友だち数と配信経由の予約率。またメッセージを配信する曜日や時間帯まで細かい検証を重ねるLINE公式アカウントの運用に関する勉強会を設けるなど、社内の体制を独自に構築。また、メッセージ配信での案内時にはたとえば「ドリンクの一杯無料」や「他クーポンとの併用可」などのクーポンも併せて配信し、更なる予約促進を図りました。運用成果「赤から」対象店舗におけるLINE経由の予約数は、飲食店に制限があったコロナ禍にもかかわらず、トライアル開始時と比べて3倍に増加し、これまで把握できなかった予約データの可視化に成功しました。顧客の中にもLINE上で予約ができるという認識を持っている人が増えていることも、店頭での接客を通じて体感できているそうです。「ホリイフードサービス株式会社『赤から』」から学ぶ運用ポイントこの事例から分かる運用ポイントは、実際に来店したくなるようなメッセージなどを研究し、その後の予約率や来店成果などを分析して、運用方法のPDCAを回しすことが重要だという点です。また店舗ごとに異なるターゲット層やイベント、メニューを考慮したアプローチを大切にすることで、顧客との接点を強化し、リピーターを増やすことができました。地域密着型で顧客とのつながりを重視する集客に「LINEで予約」はとても効果的なツールだということもこの事例から分かります。参照:LINEヤフー for Business参照:赤から つくば研究学園店事例3.株式会社アトム「寧々家」ほか導入きっかけ・目的中部、東北、北関東を拠点として、およそ360の飲食店を展開する株式会社アトム。同社は2015年9月ごろより約360店舗のうち130〜140店舗でそれぞれ、LINE公式アカウントを開設していましたが、新規顧客へのアプローチに大きな課題を感じていました。「LINEで予約」導入のきっかけは、さらに追い重なるコロナ禍の予約数の激減でした。LINE公式アカウントを用いた顧客への情報発信を基点に、新規顧客の獲得及び店舗予約への誘導を行うことが狙いでした。運用施策系列の3店舗「寧々家」「いろはにほへと」「和処ダイニング暖や」にて、「LINEで予約」を2021年5月18日から6月17日の1カ月間トライアルとして活用。まずは既存の友だちに向けて予約フォームをメッセージ配信し、リッチメニューにも予約フォームへの導線を設け、効果を測定しました。主に行った施策は2つ。1つめは「8のつく日限定クーポン」「月末飲み放題割引クーポン」などクーポンを活用した販促メッセージとともに「LINEで予約」リンクを配信。もう1つは「リッチメニューに「LINEで予約」リンクを常設」という施策でした。一方で、割引券の配布や店内でのLINE公式アカウントの案内、接客時の声がけなど友だち数を増加させるための取り組みも引き続き行いました。社内では店舗同士で友だち数を競わせるような社内イベントも開催。運用成果トライアル期間中、他の媒体経由の予約数は減少せず、「LINEで予約」を通じた新たな予約数が加わり、全体の月間予約数が増加しました。平日の週末に販促メッセージと予約フォームを配信したのにも関わらず、そのフォームから土日に予約をする顧客もいました。過去にはLINE公式アカウントから販促のメッセージと一緒に、他媒体の予約ページURLを配信していたこともあった株式会社アトム。しかし、「LINEで予約」ではない他のURLをタップすると他のブラウザに遷移してしまう仕様のため、予約完了までの導線という意味でユーザーの利便性は高くありませんでした。「LINEで予約」より顧客の利便性を向上させることにつながり、結果的に若い世代だけでなくシニア世代からの予約も獲得しました。「株式会社アトム『寧々家』ほか」から学ぶ運用ポイントこの事例から分かる運用ポイントは、メッセージ配信にてお得なクーポンと一緒に「LINEで予約」リンクを配信することで、顧客の関心を惹き、週末の空き時間にさかのぼって予約してくれた点です。また社内で友だち数を競ってもらうイベントを行うなど、従業員の意欲を掻き立てることもLINE集客に大きく寄与し、結果的に「LINEで予約」の利用数に直結していきます。ブラウザに遷移せずLINEアプリで完結する「LINEで予約」の活用は、顧客の利便性の向上に大きく関係することがこの事例から分かります。参照:LINEヤフー for Business参照:寧々家 福島駅前店事例4.株式会社アークミール「ステーキのどん」導入きっかけ・目的株式会社アークミールは、「ステーキのどん」を含む複数の飲食ブランドを展開しており、2019年にLINE公式アカウントを開設しました。LINE公式アカウント友だちの主な追加方法は店頭での声かけ。比較的客単価が低く日常使いする顧客の多い「ステーキのどん」では月3~5回ほどのメッセージ配信時にあえてフランクな言葉で読んでいて楽しい気分になる内容を意識していました。新型コロナウイルスの影響により来店動向が変化した中で、新規顧客獲得のために「LINEで予約」を導入することに決めました。運用施策初めに1店舗で「LINEで予約」のトライアルを行い、その後全店舗で導入しました。「LINEで予約」を利用した顧客限定で、ポテトフライを無料でプレゼントするなどインセンティブを設定。さらにリッチメニューに「LINEで予約」リンクの設置を行い、顧客の予約及び来店意欲の向上と、分かりやすい予約導線を作りました。また、予約受付の締切は当日のオーダーストップの時間に設定することで、顧客の利便性の向上を目指しました。運用成果全店舗での「LINEで予約」導入後、最初の5日間で約650組、計算すると1店舗あたり平均約10組が「LINEで予約」を利用しました。「LINEで予約」を利用した顧客限定のインセンティブの配布期間が終わったあとも「LINEで予約」経由の予約数は安定し、同年12月9日時点で2,500組7,000名以上が「LINEで予約」を利用。また、LINE公式アカウントの運用については、店頭での声かけなどにより来店客のうち約5%のがその場で友だち追加をしてくれ、友だち数の増加と共にリピーターも増えました。そして、導入当初は予約受付締切が店舗によってばらつきがあったことから顧客から問い合わせをもらうこともありましたが、当日予約まで対応できる「LINEで予約」の導入によって、リソースの削減にもつながっています。「株式会社アークミール『ステーキのどん』」から学ぶ運用ポイントこの事例から分かる運用ポイントは、「LINEで予約」を利用した顧客限定のインセンティブの配布が最初の利用のきっかけになるという点です。配布期間が終わったあとも予約数が安定したことから最初の利用のきっかけづくりが大切だということが分かります。また、店頭での積極的な友だち追加促進や、リッチメニューなど分かりやすい予約導線の設置がリピーター増加につながっています。「LINEで予約」は当日の予約にも対応できることから、顧客からの問い合わせ対応のリソースが省けることも店舗運営において大きなメリットとなることがこの事例から分かります。参照:LINEヤフー for Business参照:ステーキのどん LINE公式アカウント事例5.大衆寿司居酒屋「鮨 酒 肴 杉玉」導入きっかけ・目的全国に73店舗を展開する大衆寿司居酒屋「鮨 酒 肴 杉玉」は、折り込みチラシに代わる新しい集客ツールとして、LINE公式アカウントと「LINEで予約」機能を導入しました。目的は、他ツールの利用による予約手数料や集客コスト、運用負荷を削減し、新しい顧客層を獲得することでした。運用施策店舗ごとにLINE公式アカウントを開設し、本社で一括運用を行いました。配信内容やスケジュールは1カ月ごとの店舗の状況に応じて作成し、事前に店舗に案内。それに応じて各店舗メッセージを配信し「LINEで予約」の利用を促進しました。例えば来店客数の少ない閑散期には割引率の高いクーポンを配信し、繫忙期には割引率を調整して毎日利用したくなるように工夫。また配信する画像クリエイティブにもこだわり、季節の数量限定メニューの告知を行い、顧客の予約意欲を掻き立てました。さらに店舗からの提案を受けて「雨の日クーポン」を開始するなど、「LINEで予約」の利用を増やすための施策を現場スタッフも巻き込んで行いました。運用成果導入により、幅広い年齢層の顧客が来店するようになり、来店客数が増加しました。1年間で「LINEで予約」の導入店舗数が約3倍になり、「LINEで予約」経由の予約数が約6倍に増加しました。「LINEで予約」は基本無料でできるツールのため、当初の目的であった折り込みチラシのコスト削減にも成功。クーポン配信後の予約数は特に増加しました。「大衆寿司居酒屋『鮨 酒 肴 杉玉』」から学ぶ運用ポイントこの事例から分かる運用ポイントは、メッセージの内容や配信スケジュールを本社で一括管理し、店舗ごとの状況に応じて調整したことで、顧客に効果的なアプローチを行うことができた点です。本社での一括運用と店舗との連携は、ブランドとしてイメージを統一した発信に寄与するため、多店舗チェーン経営の場合特に重要となってきます。また本社からの見解に頼りすぎず、顧客と直接関わる現場スタッフの意見を取り入れることも「LINEで予約」の利用促進につながります。「LINEで予約」の活用による集客コスト削減を狙うためにはその利用を増やすことが大前提として重要なこともこの事例から分かります。参照:LINEヤフー for Business参照:鮨・酒・肴 杉玉 高槻店 LINE公式アカウント事例6.株式会社入船「ごちそう村」導入きっかけ・目的1916年から関西地区を中心に「ごちそう村」をはじめとする複数の飲食ブランドを運営する、株式会社入船。同社はこれまでスタッフの負担が大きくコストのかかる、ハガキ・DMを集客ツールとして利用していましたが、なかなか集客につながらないことで悩んでいました。一時的にメールマガジンを利用していたこともありましたが、文字だけのテキストメッセージは面白さがない。集客にかかるコストと運用負荷の削減を目的として、「ごちそう村」を含む複数のブランドでLINE公式アカウントと「LINEで予約」を導入。一部店舗で試験的に導入し、現場アルバイトスタッフから他店舗導入の提案があり、全店導入に至りました。運用施策父の日などの季節のイベントに合わせて独自のプレゼント企画を行い、リッチメッセージで「LINEで予約」への導線を設置。リッチメッセージなどの画像クリエイティブで意識していることは一目で分かる内容にして文字を読ませないこと。配信する曜日や時間帯は顧客の立場い立って行います。また友だち限定のイベントや、注文できる限定メニューの開発を行い、顧客が楽しみながら参加できる施策を次々と考案し、“ごちそう村のファン”を増やしていきました。運用成果「LINEで予約」の利用は予約全体の30%を占めるまでに成長しました。LINE公式アカウント導入後の売上効果は、同社調べによると同費用によるハガキ・DMの約14倍も向上したそう。また、他の予約サイト経由だと顧客の属性をデータ化できませんでしたが、「LINEで予約」の導入により可視化できるようになりました。これにより“ごちそう村のファン”の満足度向上を分析し、次の予約及び来店促進に向けた運用の計画につながっています。「株式会社入船『ごちそう村』」から学ぶ運用ポイントこの事例から分かる運用ポイントは、顧客が楽しみながら参加できる企画を考案し、画像クリエイティブや配信する日時を顧客目線で工夫することで、「LINEで予約」の利用導線を効率的に確立していたという点です。また、他の予約ツールでは可視化できなかった予約のデータを蓄積することも、運用において重要なポイントです。顧客の来店傾向を分析し、“その飲食店のファン”の満足度向上に向けて分析し、次のアプローチを企画していったことが「LINEで予約」運用の成功につながったことがこの事例から分かります。参照:LINEヤフー for Business参照:ごちそう村 大久保店 LINE公式アカウント「LINEで予約」運用ポイントまとめここまで6つの飲食店の事例から、「LINEで予約」の運用ポイントを分析しました。最後にここまでの内容をまとめて解説します。以下はそれぞれの飲食店が行っていたLINE公式アカウントの運用方法です。事例1.極上赤身 焼肉 藤顧客視点での利便性向上を重視。メッセージ配信とリッチメニューを通じて「LINEで予約」を顕著に提示。顧客の日常と連携したダイレクトな関係構築。事例2.ホリイフードサービス株式会社「赤から」来店を促すメッセージの研究と分析。PDCAサイクルを回し、店舗ごとのターゲット層やイベントに合わせたアプローチ。事例3.株式会社アトム「寧々家」ほかお得なクーポンと「LINEで予約」リンクの同時配信。従業員の参加意欲を高める社内イベント実施。LINEアプリ内で予約完結を目指した利便性の向上。事例4.株式会社アークミール「ステーキのどん」「LINEで予約」利用者へのインセンティブ提供。利便性の向上と初期利用の促進。明確な予約導線の設置と店頭での友だち追加促進。事例5.大衆寿司居酒屋「鮨 酒 肴 杉玉」本社での一括運用と店舗状況に応じたメッセージ調整。ブランドイメージの統一と現場スタッフの意見取り入れ。事例6.株式会社入船「ごちそう村」顧客参加型の企画で友だち追加促進。クリエイティブや配信タイミングの工夫。「LINEで予約」による予約傾向の分析と満足度調査への活用。総合分析これらの事例から、LINE公式アカウント及び「LINEで予約」で成果を出すための効果的な運用として4つのポイントが浮かび上がってきます。顧客の立場に立った配信ユニークなメッセージ配信やイベントを通じて顧客とのエンゲージメントを高める。配信時間も受け取り手が開封しやすい時間にする。利便性の向上LINEアプリ内で完結する予約プロセスの提供。リッチメニューやリッチメッセージに「LINEで予約」を設置したり、クーポンなどと一緒に配信することで予約の導線が生まれるようにする。店舗特性の考慮各店舗の状況に合わせた運用戦略の展開。店舗による来店顧客の属性によって配信内容を工夫する。データ活用収集した予約データを分析し、顧客の同行を探っていく。分析したデータは、今後の顧客体験の改善に向けた効果的な運用に落とし込み、LINE公式アカウントの運用全体のPDCAサイクルをまわす。まとめ今回の分析を踏まえ、あなたの飲食店で「LINEで予約」を活用する際には、4つのポイントを意識することが重要だと分かりました。まず、顧客との関係構築を心がけること。これには、個々の顧客に合わせたメッセージや、彼らが興味を持ちそうなユニークなイベントの実施が含まれます。次に、LINEアプリ内で簡単かつスムーズに予約が完了するよう、予約プロセスの利便性を高めることです。さらに、各店舗の特性やターゲット顧客に応じたメッセージ配信を行い、それぞれの店舗の魅力を最大限に伝えることも重要です。最後に、収集した予約データの分析により顧客の傾向を理解し、それを基にした改善策を講じることが、更なる成功への鍵となります。これらのポイントをぜひ、あなたの飲食店で運用する際の参考にしてみてください。この記事が、あなたの飲食店における新規顧客の獲得と既存顧客のリピーター化を支援し、「LINEで予約」の効果的な活用へと導く一助となれば幸いです。