LINE公式アカウントのセグメント機能「絞り込み配信」LINE公式アカウントには友だち登録をした顧客を属性や特徴に基づいてグループ分けし、細分化されたターゲット顧客に合わせてメッセージを送る「絞り込み配信」という機能があります。この機能は一般的に「セグメント配信」と理解されているため、本記事ではそのように表記します。飲食店のLINE公式アカウント運営において、セグメント配信を活用することは顧客に最適化された情報を届ける上で様々なメリットがあります。たとえば、若年層には新メニューの紹介、常連客には特別な割引情報を提供するなど、メッセージをカスタマイズできます。この記事では、LINE公式アカウントのセグメント配信とはどんなものか、またその設定から配信方法までご紹介します。セグメント配信とはセグメント配信とは一般的に、顧客を共通の特性や行動パターンに基づいて分類し、それぞれのグループに合わせたメッセージを送ることを意味します。これには性別、年齢、居住地といった属性情報や、購買行動などが含まれます。このように顧客を分類することで、それぞれのニーズに合ったアプローチを行うことが可能になります。LINE公式アカウントではこの機能を、特別な手続きや追加料金なしで機能を利用することができます。次のセクションではこの機能を利用するメリットをご紹介します。セグメント配信のメリット・ブロックされるリスクの軽減配信するメッセージは顧客全員にとって関連性があるとは限りません。一斉配信の場合、一部の顧客にとっては不要な情報となる可能性があり、これが原因でブロックされるリスクが高まります。しかし、セグメント配信では顧客の興味やニーズに基づいてカスタマイズされたメッセージを送ることができるため、ブロックされるリスクを大幅に減らすことが可能です。・反応率の向上過去にメッセージを開封したり、リンクをクリックした顧客など、特定の条件を満たす顧客に対してメッセージを送ることもできるため、顧客の興味やニーズに合ったメッセージを届けることができます。例えば新商品の紹介やクーポンの提供などにセグメント配信を活用した場合、効果的に購買意欲を高めることができます。・メッセージ配信費用の抑制LINE公式アカウントの各プランには、無料で送信できるメッセージ数の上限が設定されていますが、該当顧客にのみメッセージを送ることにより、メッセージ数を抑えることができます。以上のようにセグメント配信を活用することは、顧客の好みや興味に基づいて効果的に情報を届けることができるため、多くのメリットがあります。特に飲食店のような店舗にとっては、顧客との距離を縮める上で是非活用したい機能です。セグメントの種類次にLINE公式アカウントで利用可能なセグメントの種類をご紹介します。セグメントの種類には大きく分け「属性」と「オーディエンス」の2種類があります。「属性」では、顧客の性別や年齢など、基本的な特徴に関する絞り込みができます。一方で「オーディエンス」では、顧客を過去の行動や特定の条件に基づいてグルーピングし、設定した上で絞り込みができます。これらを活用することで、ターゲットとなるユーザー層をより細かく絞り込むことができます。ここからは、セグメントの種類が持つそれぞれの内容と、その活用方法について詳しく説明します。・属性まずは「属性」をについてご紹介します。顧客をセグメントするために5つの属性が用意されています。また、それぞれの属性を組み合わせることもでき、例えば「関西地方に住む20~24歳の女性」などと絞り込むことが可能です。友だち期間LINE公式アカウントと友だち関係になってからの期間。期間別にセグメントを作成し、新規友だちの顧客、または長期間友だちの顧客、それぞれに適したメッセージを配信することが可能です。例: 6日以下、7日~29日、30日~89日など。性別顧客の性別に基づいてメッセージをカスタマイズし、ターゲットに合わせたメッセージを送ることができます。例: 男性、女性。年齢年齢層に応じたメッセージを配信し、世代に適した内容でターゲット顧客の関心を引きつけることができます。例: 14歳以下、15~19歳、20~24歳など。OS顧客が使用しているオペレーティングシステム(Android、iOSなど)に基づいて、それに適したメッセージを送ることができます。例: Android、iOS、Windows Phoneなど。エリア顧客の居住地域に基づいて、地域限定のメッセージを送ることができます。例: 北海道、東北地方、関東地方などの都道府県や地域。・オーディエンス次に「オーディエンス」の種類とその設定方法についてご紹介します。オーディエンスは、顧客の行動に基づいて作成されるグループです。顧客の具体的な行動に基づく絞り込みであるため、該当顧客に対してより関連性の強い配信が可能となります。オーディエンスの種類は以下の7つがあります。ユーザーIDアップロード顧客のユーザーIDをアップロードし、特定の顧客グループを作成します。この方法は、特に既に顧客情報を店舗側で認識している場合に有効です。〈設定方法〉オーディエンスタイプの中からユーザーIDアップロードを選択します。そしてオーディエンス名を入力します。ターゲット設定では、Messaging APIを利用してユーザーIDのみ含むファイルをアップロードし、それを基にオーディエンスを構築します。ファイルは一度に5つまでアップロード可能です。ファイルをアップロード後は【更新】をクリックで、作成完了となります。インプレッションリターゲティング過去に配信した特定のメッセージを開封した顧客を対象とします。メッセージの内容に興味を示したけれど、まだ行動に移していない顧客などにリーチするのに役立ちます。〈設定方法〉インプレッションターゲティングを選択すると、過去60日以内のメッセージが表示されるので、該当するメッセージを選択して保存してください。クリックリターゲティング過去に配信したメッセージにあった特定のリンクをクリックした顧客を対象にしたオーディエンスを作成できます。これはプロモーションやキャンペーンへの関心が高い顧客に再度アプローチするのに適しています。〈設定方法〉クリックリターゲティングを選択すると、過去60日以内のメッセージが表示されるので、該当するメッセージからその中のURLを選択して保存してください。チャットタグオーディエンスチャットタグオーディエンスは、顧客との直接的なやり取りをもとにした細かいセグメント作成が可能です。例えば「特定の商品に興味がある」「サービスに関する質問をした」など、特定の行動や関心に基づいて顧客をグルーピングできます。〈設定方法〉オーディエンスタイプとオーディエンス名を入力した後、作成したいタグを選択してください。追加経路オーディエンス特定の経路で友だち追加した顧客を対象にします。友だち追加の経路、(例:QRコードや特定の広告やキャンペーン)に基づいてターゲットを絞り込むことができます。これにより、特定のキャンペーンやイベントで、普段アクションを起こす可能性の高い顧客にターゲティングできます。〈設定方法〉オーディエンスタイプとオーディエンス名を入力した後、対象期間を選択してください。表示された友だち追加経路のうち該当するものを選択してください。ウェブトラフィックオーディエンス特定の行動(例: 購入ページへの訪問、特定のコンテンツの閲覧)を行った顧客グループを作成します。オンラインでの顧客行動を基にしたターゲティングに適しています。〈設定方法〉オーディエンスタイプとオーディエンス名を入力した後、LINE Tagとターゲット、必要に応じてURlを入力します。有効期限を選択して保存してください。以上のように、行動に基づいて顧客を分類できるのがオーディエンスです。属性とオーディエンスそれぞれを活用することでセグメントを作成し、ターゲット顧客に合ったメッセージを送ることで、エンゲージメントを高めていきましょう。メッセージ配信の手順セグメントの種類と設定方法が分かったところで、次はいよいよセグメント配信をしていきましょう。以下の3ステップで基本的なセグメント配信ができます。STEP1. メッセージの作成画面へLINE公式アカウントの管理画面にアクセスし、「メッセージを作成」を選択します。この画面で、新たなメッセージの内容を入力します。STEP2. オーディエンスと属性の設定メッセージ作成画面にて、配信先を「絞り込み」と設定します。属性の場合は、希望する属性(性別、年齢、居住地域など)を指定します。オーディエンスの場合は「オーディエンス」を選択し、事前に設定したオーディエンスを選択します。属性とオーディエンスを組み合わせてターゲットを更に精密に設定することもできます。STEP3. メッセージ配信配信日時を設定します。即時配信を希望する場合は、「今すぐ配信」を選択します。ここまで絞り込み配信の手順についてご説明しました。最後は、この機能を利用する際のポイントをお伝えします。セグメント機能利用のポイント・友だち数「属性」「オーディエンス」の両方とも、友だちの数が100人以上でないと、絞り込みを行うことができません。・タイムラグ絞り込みは3日前の情報に基づいて行われるため、最新のデータを反映するまでに時間差があることを理解しておきましょう。・精度の認識「属性」はLINEによる推計に基づくものであり、必ずしも正確であるとは限りません。属性に基づくセグメント配信を行う際は、この点を前提として考慮に入れる必要があります。・メッセージタイプの制限セグメント配信は、飲食店側から自発的に送信する基本的なメッセージでのみ利用可能です。その他の自動返信系(あいさつメッセージ、応答メッセージなど)や特殊なメッセージ(リッチメッセージ、リッチビデオメッセージなど)では利用できません。まとめセグメント配信は様々なメリットがあるため、LINE公式アカウントを活用するならぜひ活用したい機能です。この機能を活用することで、特定の属性や行動を示した顧客に対して、よりパーソナライズされたメッセージを送ることが可能となります。うまく活用することで、飲食店のLINE集客をよりターゲットに合わせたものにし、効率を大幅に向上させる可能性を秘めています。適切なセグメント設定と戦略的なメッセージ配信により、顧客の関心を引き、エンゲージメントを高めていきましょう。