コロナ禍を経て、顧客と離れていてもオンライン上で繋がりを持ち続けることは、飲食店の集客戦略として当たり前となってきました。中でも日本で高い開封率を誇るSNS、LINE公式アカウントは、退店後も多くの顧客と直接的な繋がりを持ち続ける集客ツールとして知られています。しかしアカウントを持った多くの飲食店が直面するのは、どのようにして友だちを増やしていくかという課題です。これに対する基本的な考え方は新規友だちを増やす工夫だけではなく、減らさない(ブロックされない)工夫もするということです。これにはアカウントが顧客にとって価値ある存在となり、信頼関係を構築することが重要です。この記事では、飲食店がLINE公式アカウントを活用し、効率的に友だちを増やすための戦略と、獲得した友だちを長期にわたり維持する具体的な戦略をご紹介します。友だち追加を促す戦略LINE公式アカウントで友だち追加を促すためには、まずアカウントを知ってもらうことが重要です。以下はアカウントの認知拡大におすすめの戦略例です。アカウントを作成したら、まずは以下の方法で認知拡大を計りましょう。1.店内にQRコードをPOPとして掲載店内の目を引きやすいスペースを利用して友だち追加を促す戦略です。QRコードをPOPとして掲載し、顧客にLINE公式アカウントの友だち追加を促します。たとえば、レジカウンター、テーブル、店舗入口などがおすすめです。2.他の各SNSで友だち追加を促すSNSやホームページなど他のオンラインプラットフォームを活用して、友だち追加を促すこともおすすめです。InstagramやTwitter、Facebookなどで、LINE公式アカウントへのリンクやQRコードを共有します。ここで重要なのは、各プラットフォームの特性に合わせたコンテンツを作成し、ユーザーをLINEに誘導することです。たとえば、Instagramでは魅力的な画像を、Twitterでは短いメッセージを効果的に使用するなど、配信の仕方を工夫しましょう。3.限定クーポンの配布新規の友だちに対する限定クーポンを用意することも、顧客の追加を促す動機付けになります。たとえば、次回利用可能な割引クーポンや、大盛り無料、ドリンクやデザートのプレゼントなどがおすすめです。限定クーポンを用意した際には、先ほどの店内POPや各種SNSでもその旨を告知しましょう。一度クーポンを配信することで、その使用割合などのデータを分析して今後より効果的なキャンペーンを企画することもできます。LINE公式アカウントを運用する際には、それを配信する相手となる友だちがいないと始まりません。これら3つの戦略を通じて、より多くの顧客にアプローチし、まずは友だち新規追加を促しましょう。ブロックされない継続的な戦略LINE公式アカウントで友だちを集めてその数を維持するためには、友達をやめられてしまうブロック数をなるべく抑えることが重要です。そのためにはアカウントが顧客にとって、価値を提供し続ける存在になる必要があります。ここからは、そのための継続的なアプローチ戦略をご紹介します。1.関心を惹くコンテンツまずは有益なアカウントとなるために、顧客の関心を惹くコンテンツを企画しましょう。配信するコンテンツ例として以下を参考にしてみてください。メニュー紹介とその美味しそうな写真居心地の良いお店の内装紹介季節限定メニューやイベントの告知親近感を感じるようなスタッフの紹介来店した顧客からのフィードバックの紹介上記のようにお店の雰囲気やブランドイメージが伝わる、ストーリー性のあるコンテンツを発信することで、飲食店のイメージを顧客に深く印象付け、より親近感を持ってもらうことができます。また、文章は端的に読みやすくまとめ、必要に応じて写真やインフォグラフィックを活用して視覚的に整理した情報を伝えることが重要です。2.配信する時間と頻度全く配信されないアカウントや開封率の低いアカウントも、顧客にとって友だちになり続ける意味がないため、ブロックされやすい傾向にあります。理想としては、週に数回の配信を行い、特に開封率が高い時間帯を狙うことがおすすめです。これにより顧客との継続的な関係を維持することができ、来店しなくても飲食店の存在を定期的に意識させる機会を増やします。具体的には、多くのユーザーがスマートフォンを使用する朝の通勤時間や、ランチタイム、夕方から夜にかけての時間帯が、開封率の高い時間帯とされています。また開封率の高い時間を分析した上で配信している「LINE NEWS」などの大手アカウントの配信時間を参考にすることもおすすめです。定期的な配信とそれを高確率で開封してもらうことにより、退店後の顧客とも接点を持ち続けましょう。3.定期的なクーポンの配布新規友だち追加の際に配布する限定クーポンだけでなく、必要に応じてその後のクーポン配布も定期的に企画しましょう。クーポンは常連などある一定の属性の顧客に絞って配布するセグメント配信もできます。このようなクーポンの配信は、アカウントと友だちになり続ける価値を顧客に感じさせ、長期的な関係構築に繋がる場合もあります。4.過度な宣伝を避ける集客のために行っているLINE公式アカウントですが、そのためには顧客との信頼関係の構築が大前提となります。そのため過度な宣伝は不快感を招き、顧客を遠ざける原因となり得ます。配信コンテンツを計画する際は、顧客の関心に基づくコンテンツ内容を役立つ形で構成し、その中に宣伝を交えることを意識しましょう。たとえば、5つ情報提供した際に1つお店の宣伝を行うなど、コンテンツの種類をバランス良く配分することがおすすめです。顧客に不快感を与えず信頼関係を構築していくことで、友だちリストからブロックされることを防ぎます。まとめこのように飲食店がLINE公式アカウントを効果的に活用するためには、顧客にとって有益なアカウントを目指すことが重要です。価値のあるコンテンツを継続的に提供することで、顧客の興味と関与を持続させることができます。LINE公式アカウントで友達を増やし、退店後の顧客へもアプローチしていくことで、離れていてもお店を定期的に思い出してもらえる関係性を築いていきましょう。